第12集 ロールモデル集 日本語
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学会や非営利組織でいくつかの役職についていますが、2021年から前職であるトーハンの社外取締役に就任したこと、2022年から認定NPO法人本の学校の理事長を引き受けたことは、自分の中では大きなできごとでした。前者に関して言えば、非常勤の役員なので直接企業経営に携わることはないのですが、研究者に転身した中で持ち続けている問題意識から、企業の方向性を評価できる立場であることが、重要と考えています。同社では初めての女性役員なのですが、在職時も初の女性管理職だったので、企業組織の問題点は明確に伝えるよう意識しています。昨年末には社内向けの動画メッセージを撮り、だいぶストレートにいろいろなことを話しました。役員という立場で、教育や研究を実業界にフィードバックできるのはありがたいですね。NPO本の学校は1995年に鳥取県米子市でスタートしたもので、本に関わるセミナーの開催など、さまざまな立場の人が横断的に本や読書に関わり、実践する場を提供しています。前身は、1970年代から鳥取県内で地道に積み上げられてきた図書館設置運動で、地元の老舗書店チェーンを率いていた方が、経営の傍らで「知の地域づくり」と出版産業の振興に尽力してこられました。まさにフィランソロピーを地で行く、本当に志が高い方なのですが、活動に加わりながら研究対象として足跡をたどるうちに、その意義の大きさに改めて気づき、意を決して理事長を引き受けました。といっても小さなNPOで、米子と東京の二拠点での活動は、ほぼ出版社や書店、図書館などで働く方、市民の方々のボランティアに拠っています。偉大な先人にはかなうべくもありませんし、ここでは自分が率いていくというよりも、そうした方々が活動しやすい場のありかた、風通しをよくすること、NPOとしての健全な組織運営に力を注ぎたいと考えています。それは私自身にとって新しい挑戦になりますし、東京以外の地域を拠点に活動する意味も非常に大きいのです。古い話になりますが、以前勤めていた企業では39歳で管理職になりました。保守的な社風で、管理職の壁は高かったと思います。配置された職場は、東京の本社に比較的若いスタッフ6名、川口の在庫上智大学文学部教授。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。出版を中心とする近現代のメディア史、メディア論。2022年度より基盤教育センター思考と表現領域長を兼任。認定NPO本の学校理事長、株式会社トーハン非常勤取締役ほか。23民間やNPO法人での役職経験リーダーの苦労とやりがい

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