第12集 ロールモデル集 日本語
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在学中は外国語学部イスパニア語学科でスペイン語とスペイン語圏の歴史、政治経済、文化等を学ぶとともに、語学に端を発してコミュニケーションへの関心が高まり言語学を副専攻に選びました。卒業後は日産自動車に入社して海外営業に従事しましたが、その後LVMHグループを始めとする欧州のラグジュアリーブランド業界に転じ、マーケティング・ブランディングを20数年間手掛けました。一貫して心掛けてきたことは、国籍、人種、性別、職業、役職、立場を超えて、自身の主張を相手に肚落ちさせ、協力・支援をいただくコミュニケーションです。当然ながら語学力だけではなく、データを使ったロジックや、相手を魅了するストーリー、語り手の人間性や情熱、全てが必要ですので、全方位的にコミュニケーション力を磨くことに心を砕いてきたと言っても過言ではありません。今でも社長として最も大切にしていることは、全てのステークホルダーと誠実に向き合い、対話を重ねることです。まず社員とは、全事業所を定期的に訪問して直に語りあうことを心掛けています。部門と社長間のミーティングには、役員・管理職だけでなく新入社員も同席させ、意思決定プロセスを共有してもらいます。流通のお得意先にはこまめに足を運び、市場とお客様のニーズを掴みに行きます。様々な業界の他業種企業トップと情報・意見交換を積極的に行い、支援・協働パートナーを常に探し求めます。株主総会や決算説明会では、自分の言葉で自ら説明し、統合報告書や株主通信等のトップメッセージは想いをこめて執筆します。全てのステークホルダーに私とエステーのファンになっていただくには、地道な対話の積み重ねが必要と思うからです。2010年に日用品メーカーであるエステー株式会社に入社し、3年後に現職を拝命しました。当時のエステーは売上が低迷し、利益は漸減状態でした。日用品業界の熾烈な価格競争の中でブランドや商品の価値を上げる努力がなされず、値引きが常態化している状況下で損益改善が急務と考え、商品の情緒的価値向上による単価の引き上げにまず着手しました。量販店の売場で目立つことが優先のデザインとエステー株式会社取締役会議長兼代表執行役社長。上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業後、日産自動車株式会社入社。その後、LVJグループ株式会社(現ルイ・ヴィトン・ジャパン株式会社)等を経て、2010年エステー株式会社入社。2013年より現職。27コミュニケーションをキャリアの軸に異業種の男性中心組織に飛び込んで

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