ダイバーシティ・ウィーク

Sophia Diversity Week 2021
ダイバーシティ・ウィーク

 ダイバーシティ推進室は、毎年11月25日の「女性に対する暴力撤廃デー」から12月10日の「世界人権デー」(含む「12月3日障害者デー」)までをソフィア・ダイバーシティ・ウィークと位置づけ様々なイベントを行っている。学生と教職員が協働し、多様性を受け入れる共生社会を目指して5年目を迎える今年はオンラインと対面を織り交ぜて実施した。

 2021年度は、学生企画として5つのイベントを開催した。各企画ではテーマに基づいて学生が発表し、専門分野から本学教員5名がテーマに沿った講演や対談を行い、その後参加者との活発な意見交換を行った。

ダイバーシティ推進室 学生共同企画:1件
学生企画:5件

ポスター

学生企画

1.11/26 ジェンダーギャップ大国、日本 ~なぜ女性議員が少ないのか~

 ジェンダーの問題において日本は大きく遅れをとっており、その傾向は国政の場で顕著に表れているということができます。そこで、国会における男女格差を是正するには何が必要であるのかを探求するために、有識者であるゲストお二人にパネルディスカッションを行っていただきました。お二人が様々な問題点やご意見を提示してくださったおかげで、非常に内容の濃いイベントに仕上げることができました。女性が国会議員として当選するために乗り越えなければならないハードルは私が想像していた以上に高いものであるということを知ることができました。取り扱ったテーマは現在われわれが暮らしている社会で実際に起こっている問題ですから、参加してくださった方々が「何をこころがけるべきか」という問いを自分事として捉えてくださっていれば嬉しいです。

2.12/1 振りかざされる「配慮」~言葉狩りの事例をもとに私たちが歩むべきダイバーシティ社会を考える~

 私たちは言葉狩りの事例を題材にしたイベントを開催しました。時代や価値観の変化に伴い、変わっていくべき言葉があることは確かです。一方で、発言者が意図していないにも関わらず、ただ現在の価値観にそぐわない言葉であることを理由に発言者を批判する風潮が本当に多様性のある社会の姿であるのでしょうか?参加者の方がこの問題について考えて頂くきっかけを提供できればと思い、私たちは本企画を行いました。まず始めに実際に発生した「嫁」呼び騒動や「美白」問題といった言葉狩りの事例について説明し、その後参加者の皆さんとグループディスカッションを行いました。ディスカッションでは、ただ言葉だけに反応するのではなく、状況や相手がどう思っているのかを大切にする必要があることを共有しました。

3.12/3 教育で貧困はなくなるのか~MDGsからSDGsへ~

 私たちがこの企画を通して伝えたかったことは、画一的な支援を目的としたMDGsとは異なり、SDGsの時代は世界の課題に対して画一的な支援ではなく、個々の事例に応じた支援を考えていく必要があり、一人一人の意識もまた変革していく必要があるという事です。教育政策は成功した国のやり方を他の国で実施しても同じ効果を得られないことは珍しくありません。途上国の貧困や課題にもそれぞれの国ごとの要因があるということを講演やワークを通して参加者の方々に知ってもらい、それぞれの課題に対するアプローチもまた異なり、世界の貧困問題の難しさもリアルに体感できたと思います。当日は参加者の方々も事前配布の資料や先生の講演をヒントに教育が貧困問題に対しての特効薬でないことやそれぞれの国の歴史に着目した支援について話し合う実りのある議論になっていたと感じました。また、パートナーの方には今年のDWは私のテーマに合わせていただいた形になったので、来年はパートナーの方のテーマでまた挑戦したいと思うくらい充実した時間でした。

4.12/8 セルフラブとボディポジティブ~ありのままの自分を受け入れてみよう~

 オンライン開催により、少し重いテーマではあったが、終始明るい雰囲気の中でだれもが感じうる問題を語り合える集いとなった。最初にこの言葉の定義について説明し、学生メンバー4名から、それぞれ自分が抱えてきた悩みや問題を共有する時間を設け、自分自身を認めることのむずかしさやそれを乗り越えようとした体験などを語りました。次にゲストで「立場の心理学」を開講する英語学科の出口真紀子教授より、自分を認め受け入れることの大切さと生きにくさを感じた時にカウンセリングを利用することも一つの選択肢であるとご自身の体験を織り交ぜながら、お話しいただいた。後半は学生メンバーから日常実践できるセルフラブの方法や、参加した学生、教職員でディスカッションを行い、様々な立場でこのテーマについて考え、ポジティブな意見交換が行われた。

5.12/10 SNSの誹謗中傷、他人事だと思っていませんか?

 今日、様々な場で社会的な問題として扱われているSNS上での誹謗中傷やいじめについて、被害者からの視点だけでなく、加害者からの視点から考えるという目的で本企画を実施しました。夏VS冬、たけのこの里VSきのこの山のようなテーマについて企画者同士によるディスカッションを行い、参加者にはそれについて「Comment Screen」という匿名でコメント可能なサイトを用い、どちらかを支持するコメントをしていただくというようなことを行いました。また、加害者心理について専門家の方にも講義をして頂きました。

 本企画を通して、誰の中にでも加害性は存在するということを認識したことで、自分自身の攻撃性の抑えかた、SNSの扱い方等についても考えることができたと思います。

ダイバーシティ推進室と学生共同特別企画

「マイノリティ」と「マジョリティ」の共生社会~日本賞受賞作品とゲストの対話から~
12月2日(木)18:00~20:00@6号館402教室

 2日にはダイバーシティ推進室とダイバーシティウィーク学生実行委員会リーダーの大谷理歩さん(総合グローバル学科2年)と桐原明香さん(社会学科2年)との特別共同企画「マジョリティとマイノリティの共生社会~日本賞作品とゲストとの対話から~」が開催された。

 前半にはNHK日本賞事務局の協力により2020年度受賞作品「人種差別と闘った中学校の三週間(イギリス)」※の映像を視聴し、その後ゲストのNHK日本賞事務局長の安田慎氏、ビヤンビラキララさん(総合グローバル学科4年)、布廣幸太郎さん(社会福祉学科2年)がそれぞれの立場から「共生社会」に対してどのように感じ、どのように向き合っていくかについて発表を行なった。

 それぞれのゲストの立場や経験に基づく発表内容や対話には多くの気づきがあった。60名を超える参加者が、マジョリティとマイノリティの共生社会の実現に向けて考える貴重な時間を共有した。

※ドキュメンタリー映画上映
「人種差別と闘った中学校の三週間」
ロンドンの学校で行われた無意識下の人種差別をあぶりだす特別授業を追ったドキュメンタリー。生徒たちは無意識のうちに肌の色や人種に対する偏見を持っていたこと、人種につての議論を避けてきたことに気が付き、困惑する。なぜ偏見は生まれ、どうしたらなくすことができるのかを問いかける番組。
(日本賞HPより抜粋)

チラシ