ダイバーシティ推進室長のご挨拶

横山 恭子ダイバーシティ推進室長
上智大学総合人間科学部心理学科教授 横山 恭子

 4月よりダイバーシティ推進室長を拝命いたしました横山です。私の専門は臨床心理学で、特に小児科に入院していたり外来通院したりしているお子さんとそのご家族への支援を研究しています。ダイバーシティという言葉は、私の臨床領域とは無縁ではありません。
 そのダイバーシティという言葉を考えていて、二つのことを思い出しました。
 一つは、辛いがんの治療の末になんとか生き延びた子どもが、治療の副作用としての皮膚障害のために、アルバイト応募先の面接で「汚い」「うちでは雇えない」と言われたと悔し泣きしていたことです。このような差別のない大学、社会を作るために何ができるかを考えていきたいということです。
 もう一つは、ずいぶん昔に出会った自閉スペクトラム症の少年のことです。彼は重い障害を持っていたので、私が勤務していた相談機関の別の場所で、早期からの療育プログラムを受けていました。その彼が、学校を卒業して初めてもらったというお給料で、お菓子を買ってきて差し入れしてくれたのです。本来は彼の乏しいお給料で購入されたお菓子などもらうべきではないのでしょうけれど、お給料をもらったのだという彼の得意げに輝いた顔を見ていると、断ることができませんでした。また、それを喜んでいる彼の担当者の顔を見て、さらに彼の顔は輝いていました。人は「○○ができた」、「○○の役に立てた」と思う時に、これほどまでに誇らしげに輝くのだなあと思いました。そういう機会を奪うことも、また良くないことだと思います。
 マイノリティの人もそうでない人も、Men and Women for Others, with Others.の実現を目指し、一人一人が輝いていかれる大学でありたいと思っています。