ダイバーシティ・ウィーク

Sophia Diversity Week 2022
ダイバーシティ・ウィーク

 ダイバーシティ推進室は、毎年11月25日の「女性に対する暴力撤廃デー」から12月10日の「世界人権デー」(含む「12月3日障害者デー」)までの期間を、ソフィア・ダイバーシティ・ウィークと位置づけ様々なイベントを行っています。多様性を受け入れる共生社会を目指し、6年目となる2022年度は、5つの対面企画と1つのオンライン企画で実施しました。

ダイバーシティ推進室 学生共同企画(オンライン):1件
学生企画(対面):5件

ポスター

学生企画

1.11/30 今こそ!学びたい多様性

 私たちそれぞれが考えられる「多様性」には限界が存在するのではないでしょうか。本企画では、心理学科の学生が中心となり、自己分析や心理学科の吉村先生と哲学科の寺田先生のお話を通して自分の考える「多様性」を新たに捉え直す、共に考える場となるように試みました。まず、自身のマイノリティ性と共に隠れている自身のマジョリティ性、障害を持つ方々や偏見を持つ身近な存在への自身の関わり方と考え方に気づき、考えることを目的に自己分析を行った上で、事例と共に障害を持つ方や周囲の偏見への関わり方についてディスカッションを行いました。そのディスカッションの内容を共有した後、吉村先生による「分からないことは無くならない。それを認め、その分からなさに触れ、どう捉えていくかという姿勢が多様性にひらかれた態度である。」というお話や、寺田先生による「人はそれぞれ共通了解が存在し、そこには一定の重みがある。お互いにその重みを認め合い、一方的に踏みにじらないように関わり、そんな社会を考え、改善し続けることが求められる。」といったお話を聞きながら、「多様性」とは何かについて共に考えました。

2.12/8 集まれ!多様なルーツを持つ上智生

 日本には多様なルーツを持つ人が多くいます。そのような人たちの気持ちや悩みを共有する場の提供だけではなく、その存在に気づいていない人が多くいること、誰しもがふとした言葉で差別をし得ることについて伝えることを目的に行いました。また、日本の社会的構造と言葉のレベルを超えた差別について学び、それをどうすれば変えていけるかをも考える企画内容にしました。多様なルーツを持つ人に限らず、このテーマに関心のある学生、教職員など様々な立場の参加者が集まり、それぞれが異なる視点を持っているからこそ、実りあるグループワークを行うことができました。社会構造という可視化しづらいことを扱いましたが、講演やパネルディスカッションでの実体験を交えたお話を通して、参加者の皆さんと一緒に考える意義深い企画になったと思います。

3.12/9 障害者支援を考える

 私たちはキャンパス内における障害者支援の考え方をテーマとしたイベントを行いました。支援は健常者からの一方的な押し付けによるものではなく、それぞれのニーズに合わせたあり方が求められます。まずはワークやグループディスカッションを通して自分自身の中にある障害者支援に対する固定観念と向き合ってもらいました。そもそも障害当事者はどのようなことに困っていて、障害はどのような特徴があるのか。そしてそれに対して周囲の人や教職員はどのようなことに気を付けて配慮していくべきなのか。また、筑波大学の先進的な障害者支援の事例も取り上げました。自分の中にある障害者支援に対する固定観念に気が付き、少しでもイベントの前後で変化があれば嬉しいです。そのうえで自分自身がどのように行動するべきなのか、今後の指針となることを目指しました。

4.12/10 マイクロアグレッション

 私たちはメディアを通じてマイクロアグレッションについて考えるイベントを開催しました。マイクロアグレッションは誰もが被害者側にも加害者側にもなりうるからこそ、多くの人とともにこの問題について考える必要があると感じ、本企画を提案しました。テレビ番組やYouTube動画などのコンテンツに含まれているマイクロアグレッションについてグループディスカッションを通じて分析し、自分たちが普段いかに差別に対して無意識でいたかハッとさせられる瞬間も多々ありました。また出口真紀子先生による講演も行われ、マイクロアグレッションを考える際にただ特定の言葉について反応するのではなく、相手がどう感じているか・その時の状況など様々な面を見る必要があるというお話が印象的でした。

5.12/10 性の多様性と同性婚

 私たちは同性婚と性の多様性に関するイベントを開催しました。過去のダイバーシティ・ウィークでLGBTに関するイベントが行われましたが、今回はもう一段階踏み込み日本の現状と未来の姿を考え、問題をジブンゴト化する企画を目指しました。昨年は東京都が同性パートナーシップ制度を始めましたが、同性婚の議論すら進まずLGBTを取り巻く日本の環境は発展途上です。そこで、ゲストスピーカーには、上智大学卒業生のKanさんを迎えました。Kanさんは同性パートナーと結婚するために一昨年イギリスに移住をしました。なぜ移住を選んだのか、今の結婚の形や性の多様性について考えさせられ、知識のアップデートを行うことができました。終盤のディスカッションでは、明るい雰囲気の中それぞれが思いを共有し合いました。Kanさんからのお話からも、ディスカッションからも多くの学びがある有意義な時間でした。

ダイバーシティ推進室と学生共同企画

多様な人生、生き方を考える~離島‐愛Iand~
12月10日(土)18:00~19:40オンライン

<離島企画> 本企画では、いわゆる「ダイバーシティ」からは想起されづらい「離島」をテーマにイベントを実施しました。ゲストの方から島での生活や魅力を通して、多様な生き方や価値観、キャリアがあることを伺うとともに、「地方」、「島」という言葉に含まれる立場性、取り残されてしまう現状など、社会構造的な問題についても共有いただきました。「本土・都市にいる」ことの特権性を参加者それぞれが振り返り、自身と島、地方を繋げて議論を深める機会になりました。

 この企画が、島、地方の課題と多様性、特権といったテーマを繋げるきっかけになったのであれば嬉しいです。今後も様々な問題に対して考え・取り組む自分自身の視点・立場は何であるのか、自分のマジョリティ性・マイノリティ性を多角的に見つめ、ジブンゴトとなるよう皆さんと一緒に考えてまいります。